平成21年8月20日更新
新型インフルエンザウイルス感染症(H1N1亜型:豚)の疑われる状態及び対策
現在、豚インフルエンザウイルスが人から人へ感染可能な新型インフルエンザウイルスに変異し世界的感染を起こしています。
【A】
5月15日に神戸市にて国内での初めての感染者が認められました。この時点で動態疫学的には、既に全国各地での感染拡大が開始されたと考えられます。全都道府県で感染が始まっていると考えられますので、海外渡航者でない場合(外国に行っていない場合)でも以下の対応が必要と考えられます。8月現在、日本では新型豚インフルエンザが流行していますが、高温・多湿の気候のため8月現在でもインフルエンザの流行は抑制されています。9月に入ると空気の乾燥と気温低下により、国内では爆発的な流行(数十万人単位での流行)が予想されます。引き続き、外出後の手洗い・うがいは必要と考えられます。
- のどの痛みや咳などの風邪症状と発熱が認められた場合には、公共交通機関を使用せず、自家用車にて病院を受診して下さい。まず、かかりつけ医に相談して下さい。公園・デパート・小売店・コンビニ・公共交通機関などの複数の人の出入りがある場所の使用は控えて下さい。
- 病院では、必ずインフルエンザウイルス感染判定を受けて下さい。日頃、風邪を治療しているほとんど全ての病院でインフルエンザウイルスA型B型検査が可能です。
- インフルエンザウイルス感染症と判定された場合には、年齢に関係なくタミフルその他の抗インフルエンザ薬の服用を行って下さい。家族もインフルエンザに感染している可能性が大きいです。A型の場合、病院からは、保健所にインフルエンザA型発生の届出がなされ、検体が公的機関に提出されます。検体提出に同意して下さい。
- 病院から指示があるまでは、外出しないで自宅にて静養して下さい。
- 新型インフルエンザと判明した場合には、保健所及び医療機関の指示に従って下さい。
- 日頃の予防は、外出を控え、マスクをして手洗い・うがいを行って下さい。特に、水道水で充分ですので、「うがい」は重要です。
- 新型インフルエンザ発生地域に住んでいる人は、さらに外出用帽子の着用を勧めます。
- 外出用の衣服は家着と分けて置いて下さい。外出用衣服・帽子などは、頻回に洗濯・日光乾燥して下さい。冷房は弱めに設定し、室内の乾燥を避けて下さい。
- 新型インフルエンザの症状が重症になると考えられる人:乳幼児(低学年児童)・高齢者・ツベルクリン反応陰性者・悪性新生物のある人・肺気腫や喘息など呼吸器疾患のある人・免疫抑制剤を使用している人・腎人工透析を行っている人・既に感染症にかかっている人(新型インフルエンザの重複感染者)・糖尿病など免疫の弱い人・妊娠中の人・低栄養状態の人・ダイエット中の人(メタボ改善のため)・ストレスを受けている人・過重労働者・受験生など
- 新型のため、毎年受けているインフルエンザウイルス予防接種の直接的効果は期待できません。間接的には、予防接種がインフルエンザウイルスに対する免疫応答を高めているため、症状軽減の可能性はありますが確証はありません。
【B】
外国旅行に行った後に風邪症状・発熱した場合
いろいろな国の人と空港や港、航空機、船舶などで感染していることが考えられます。
- 海外で既に風邪症状が現れた方で帰国した場合、空港・港にて担当者に申し出て下さい。担当者の指示に従って下さい。
- 海外から10日程度以内前に帰国し、風邪症状(発熱・咽頭痛・嘔吐・下痢など)が新たに現れた場合、家族・親族・他人との接触を避けて下さい。
- すぐに最寄の保健所・都道府県の保健衛生関連部署に電話連絡を行って下さい。
- 一般の医療機関は受診できません。対応できません。
- 公共交通機関は、利用しないで下さい。駅・デパート・スーパー・コンビニなど複数人の出入りのある場所は利用しないで下さい。
- すぐに自家用車又は保健所・都道府県の保健関連部署の指定された乗り物で指定された医療機関を受診して下さい。
- もし、新型インフルエンザウイルス感染症であり早期に対応できなかった場合、救命できない場合があります。又、感染拡大の原因になります。
- 検査システム・治療薬等は、指定された医療機関に優先的に配備されています。
- 日頃より、感染予防グッズ(マスク・予防メガネ・ヘアーキャップ・薬用石鹸・予防ガウン等)や防災用食料品(最低2週間分)の準備が必要になります。
新型インフルエンザウイルス感染症(H5N1亜型:鳥)の疑われる状態及び対応
現在、鳥型インフルエンザウイルス感染症では人から人に感染する新型(人型)インフルエンザウイルス感染症の報告はありません。
鳥型に関しては、予防接種による予防以外に、通常のインフルエンザ対策であるマスク・手洗い・外出を控えるなどの感染予防が必要になります。さらに、予防ガウンの着用も必要になります。詳しい情報は、行政サイトから入手できます。
- 日頃より、感染予防グッズ(マスク・予防メガネ・ヘアーキャップ・薬用石鹸・予防ガウン等)や防災用食料品(最低2週間分)の準備が必要になります。
- もし、国内・外国にて新型インフルエンザ(鳥)が発生した場合には、早急にテレビ・ラジオ・インターネット・新聞等にて情報の確認を行います。
- 住居行政区域に発生した場合、外出が出来なくなる場合があります。
- 外出が出来ない場合には、保健所・都道府県庁など行政機関へは固定電話・携帯電話・インターネットメールなどでの情報伝達が必要になります。
- 感染が疑わしい場合の対応は、上記【B】の新型インフルエンザウイルス感染症(H1N1亜型:豚)の1〜9と同じ対応となりますが、かかりつけ医の受診はできません。一般の医療機関は受診できません。指定された医療機関への受診となります。
- 鳥型の場合、人から人への感染型(新型)に変異した場合には、爆発的な流行となることが予想されます。
日頃できることは、手洗い・うがいです。外出後は、必ず手洗い・うがいを行うように心がけましょう。又、外出用衣服は室内に持ち込まないようにする工夫も必要となります。流行が疑わしい場合には、旅行は避け、外出もなるべく控え、日頃の買い物の時にはマスクを着用すると良いでしょう。室内は、保温・保湿に努め、乾燥しないようにしましょう。もし、行政区域に感染者が出た場合には、行政の指示に従いましょう。区域に感染者が出た場合には、職場・友人への連絡は、電話やメールなどの間接的な情報伝達手段を用いましょう。
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